企画・エッセイ » 記事概要一覧
雄大かつ美麗な男滝

[第50回] 四方木の不動滝(鴨川市四方木)

房州一の美滝で大団円

これだけ滝の取材を続けていると「記者さん、どこの滝が一番ですか」などと問われることがある。女性と同じで「どれも美しいですよ」と答えることにしているが、接近しやすさ、美しさ、豪快さなどを総合判断すると、この四方木の不動滝が最右翼ではないかと思う。大きさや豪快さで、ほかにもいい滝があるが、安心して訪ねられるという点で、この滝の右に出る滝はないだろう。あくまで個人的な見解だが。

[ .. 全文表示へ ]

11年6月4日 28,480
5段になって落水する中沢の滝

[第49回] 中沢の滝(鴨川市内浦)

大風沢川源流部の秘滝

同じヤマビル出没地帯に、もうひとつ美滝がある。同じ内浦山県民の森内にあるが、こちらは一部が廃道になっていて、県民の森の案内図にも記載がない。知る人ぞ知る滝だ。だるまの滝とは別の沢にあるが、水系は太平洋に注ぐ大風沢川で、ここはその源流部にあたる。

茶室よりも東側に旧サイクリング道路がある。現在は使われていない。このアスファルト道を歩くと、左に沢がある。このサイクリング道をつくるときに川回しをしたのだろう。林道奥谷線の下に素掘りのトンネルを掘り、流れはこのトンネルを下って、奥谷ダムに注ぐ。

[ .. 全文表示へ ]

11年5月28日 24,976
増水すればだるまに見えるという

[第48回] だるまの滝(鴨川市内浦)

ヤマビル地帯に潜む滝

うわさに聞く、ヤマビル出没地帯。豊かな森林が残る清澄から内浦にかけては、野生のシカが棲み、それに寄生するヤマビルがいる。冬場は比較的被害はないが、初夏から晩秋にかけて、小さな吸血鬼は活動を強める。鴨川市の北部、東部の一帯の山は、4月中旬が入山の限界という。それ以降は、この吸血鬼の被害を承知で山へ行かなければならない。

取材日は4月下旬。朝から雨模様で昼からは本降りとなった。この微妙な時期に合羽を着込んで山へ入った。

[ .. 全文表示へ ]

11年5月21日 25,073
「くの字」に落ちる粟ヶ沢の滝

[第47回] 粟ヶ沢の滝(鴨川市清澄)

山肌滑る「くの字」滝

二タ間川には、下流から観音滝、稚児の滝と並ぶが、無名の滝もあちこちにある。雨上がりに出現する滝を加えれば、まさに滝の宝庫である。今回はもうひとつ、粟ヶ沢の滝を加えよう。

稚児の滝の下流で、二タ間川に合流する支流が粟ヶ沢である。清澄寺の仏舎利塔付近を源流にした沢で、稚児の滝下で合流する。この沢沿いにあるのが、粟ヶ沢歩道である。この合流地点に流れ落ちる滝は、無名であるが、美しい滝ゆえに沢の名をとって「粟ヶ沢の滝」としよう。

滝は稚児の滝からも良く見える。山肌を滑るように落ちるナメ滝で、高さが20bはあるだろう。細いながらも「くの字」に折れ、白い筋が美しい。

[ .. 全文表示へ ]

11年5月14日 24,227
俯瞰で眺めた稚児の滝

[第46回] 稚児の滝 (ちごのたき} 鴨川市清澄

垂直落下する豪快滝

観音滝の上流100bに位置する美滝。観音滝が二タ間川の支流からの流れ込みなのに対し、稚児の滝は本流の流れである。華厳の滝のように垂直に落下する豪快な滝で、取材日も見事な流れだった。観音滝と同様、東大演習林内の立ち入り許可制で、ヤマビルがいる接近困難滝であることは変わりない。

川沿いの林道を歩くと「粟ヶ沢歩道」という小さな標識がある。ここが滝上である。粟ヶ沢歩道は、演習林内の旧街道で、ここを歩くと七曲経由で、清澄寺の仏舎利塔へ出る。歩道という表記だが、非常に危険な道で、ベテランでなければ歩けないほどだ。もちろんここも許可制である。

[ .. 全文表示へ ]

11年5月7日 24,814
下段の流れのアップ

[第45回] 観音滝 (かんのんたき 鴨川市清澄)

一枚岩が特徴的な滝

鴨川は滝の宝庫である。天津小湊町との合併後は、清澄地区も鴨川だから、滝の存在数はさらにパワーアップしている。深い清澄の山地には、美しく豪快な滝がいくつも存在している。

観音滝は、天津地区の太平洋に注ぐ二タ間(ふたま)川の中流域にある。冒頭断っておくが、ここは東大演習林内。立ち入りは許可制である。しかもヤマビルの宝庫なので、冬季以外は立ち寄らないほうが無難だ。

二タ間川は、県内屈指の清流。清澄寺のある妙見山に源を発し、天津地区を流れて、河口付近で袋倉川と合流して、太平洋に注ぐ。袋倉川と同じく、いくつもの滝を含有するのである。

[ .. 全文表示へ ]

11年4月30日 24,932
塩ビ管で水が引かれる祇園滝

[第44回] 祇園滝 (ぎおんたき) 南房総市川谷

犬切の名伝える涸れ滝

暇乞いの滝の取材で、近くに別の滝があることを、地元・川谷の人が教えてくれた。「滝のことを書いている人に、ぜひこの滝も調べてほしい。周囲はみんな高齢化で、このままでは歴史ある場所が忘れられてしまう」。その名を祇園滝という。滝の周辺には歴史ある地名があった。涸れ滝なれど、歴史は十分。房州寂名瀑にふさわしい滝である。

旧丸山町川谷の小字が犬切。珍しい地名であるが、地元ではイヌギリと発音する。その犬切に関連する滝なのである。滝の下に住む農業、小沢澄夫さん(81)が詳しく教えてくれた。

[ .. 全文表示へ ]

11年4月23日 23,796
下流側は湧き水を利用した跡がある

[第43回] 暇乞いの滝 (いとまごいのたき) 南房総市川谷

豊富な湧き水の別れ滝

南房総市の旧丸山町地域に、おもしろい名の滝がある。暇乞いとは、お別れ、告別のこと。滝の名にしては、ちょっと不思議である。

この沢は豊かな湧き水が出る。岩から染み出る岩清水である。あまりにおいしいので、水を汲む人がたえない。が、崖も崩落気味で、非常に危険である。この滝の水を汲みに行く際は命がけ。一説では、家族に暇乞いをしてから行くのだという。

[ .. 全文表示へ ]

11年4月16日 23,404
砂防ダム下の上流側の黒滝

[第42回] 五十蔵の黒滝(南房総市和田町五十蔵)

七軒家に残る哀史滝

鴨川市の滝群に戻る前に、南房総市内にいくつか気になる滝があるので、紹介しよう。

和田町の北部、鴨川市との市境に近い五十蔵の集落に、黒滝の小字がある。国土地理院の2万5000分の1地図にも載っていて、以前からこの地名が気になっていた。盆地状の地形に、昔から7軒の旧家があり、地元ではこの集落を「七軒家」と呼ぶ。滝は砂防ダム工事で人工要素が加えられてしまったが、この土地にまつわる哀史≠ニともに、この滝を語りたい。

時は天文3年(1534)4月。里見義豊と、いとこの義堯が骨肉の争いをした、いわゆる里見の内訌である。21歳の義豊は犬掛の合戦で敗れ、最期は自刃して果てる。義豊には側室・倉女があって、胎内に7か月の子が宿る。このとき、長兄の小倉掃部定景、次兄の小倉修理助定綱を呼び、義豊はその子が男子の場合は、姓名を隠し定綱の実子として養育することを頼む。

[ .. 全文表示へ ]

11年4月9日 29,362
涸れたナメ滝の様相の田がしらの滝

[第41回] 田がしらの滝・尊房が滝(鴨川市仲町)

温泉上の小さな秘滝

清流・袋倉川の滝を連続で紹介している中、鴨川市の読者から新たな情報が寄せられた。同市曽呂地区に隠れた滝がふたつあるという。封書にそのいわれや略図まで書かれている。これはぜひとも探索しなければならない。雨降りを待って、県道鴨川富山線沿線から山へ入った。

情報によると、滝は県内最古の温泉ともいわれる、曽呂温泉近くにある。同封された略図には、庚申塚や大日如来の石碑まで示されている。

県道の曽呂温泉バス停の路肩にクルマを止め、尊房橋を渡って、温泉方面へ。温泉と分かれる変則交差点の右側に屋根付きの祠がある。享保6年の銘のある庚申塚である。

[ .. 全文表示へ ]

11年4月2日 23,897
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved