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私はこの8月4日で満70歳となりました。

10年前に60歳になったときには、前任地の亀田総合病院で若い人たち達が還暦祝いをやってくれたのを思い出します。その時に着せてもらった赤いチャンチャンコ姿の写真が、今も私のフェイスブックの見出しに使われています。元気に腹を出した当時の写真をみると、10年でかなり衰えたな、と認めざるをえません。70歳になると「古希」ということを最近まで認識していませんでした。一般に還暦の時ほど、大きなことはしませんよね。

さて、これまで私は年金を受け取るのはまだ先の話、と思ってきましたが、70歳になると、これ以上受領開始を遅らせることはできなくなるということを最近知り、8月7日に妻と一緒に年金事務所へ行って、受領開始の手続きをしてきました。

私はこれまで70歳まで我慢して受け取らないでいると、貯金しておくのと同様で、年金がたくさんもらえるようになるのだと単純に思っていましたが、どうもそう甘いものではないことを始めて知りました。

これまで多くの方から、「加納先生のように仕事ばかりしていると、年金をもらうチャンスを失いますよ」と忠告されても、まったく真剣に考えたことがなかったのですが、今回事務所の担当者の話を聞いているうちに、「なるほど、そういう仕掛けになっていたのか」と感心することが多かったです。

私よりもかなり年下の医師から、「私は60歳になったときからしっかり年金を受け取っています。加納先生も早く手続きした方がいいですよ」と言われても、どうしてよいかよく分からないし、面倒くさいので放置していました。

今回は、とうとう手続きをしなくてはならない節目にきてよかったと思いました。社会のシステムを知るよい機会にもなりました。危うく、年金を一度も受け取らずに一生を終えることになるところでした。

まだ仕事をしているので、かなりの額を召し上げられる、という説明も受けましたが、それはそれで、幸せなことと甘受しなくてはいけないと思っています。

本紙の読者の皆さまは、私などよりもはるかに年金のシステムに詳しいので、心配ないと思いますが、もし、受領手続きを忘れている高齢者がおいででしたが、本日の私のように年金事務所へ早めに相談に行かれた方がよいですよ。担当事務職員の説明を受けて、反論することなく、ひたすら首振り人形になっているのが賢明です。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院名誉院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

8月13日20時00分 428
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