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2017年12月21日の毎日新聞に、「高齢者のごみ出し」支援 自治体を調査へ」という表題の記事を見つけ、興味深く読みました。というのは、現在、私が住んでいる船橋市高根台という地区は、UR(旧住宅公団)が建てた賃貸マンションが林立している地区で、私は時々、この地区の住民がこのまま年を取っていってしまったら各家庭でのごみ出しが将来的には問題になるだろうな、と考えていたからです。

老人ばかりの賃貸マンション群がごみ御殿、ごみ屋敷に変わるのは、そう非現実的なことではないのではないかと憂えているのです。

時々、テレビ番組でいわゆる「ごみ屋敷」を扱ったものがありますが、元来、部屋の片付けが苦手な私は、自分もそのうちああなるのではないか、と思うのです。今までに外科医としての私のことを取材・報道したテレビ番組が何本かありましたが、いつも取材に来たディレクターが「それにしても、どうしてこんなに自宅の部屋が汚いのですか?」と聞いたものでした。私はいつも「本人は汚いと思っていないのだから、これでいいじゃないか」と答えていました。

鴨川でほぼ20年間、単身赴任であった私は、家の中が少々汚くても、特に不便を感じるわけでもないので、気にしていませんでした。でも、並みの人の住居と比べると乱雑でごみが貯まっていたことは確かでした。その様子がテレビに映っていましたが、私自身はまったく気にしていませんでした。

最近は自分が動けなくなったら、部屋の掃除、ごみ出しが大変だろうな、と思うようになりました。そんな中に、今回の毎日新聞の記事が目に入ったしだいです。

同紙によりますと、環境省は全国の自治体で導入が増えている、高齢者世帯への「ごみ出し支援」制度の実態把握に初めて乗り出すとのことで、ありがたいことです。65歳以上が人口の3割に迫るなか、集積所までごみを運べないお年寄り世帯が増えており、支援へのニーズが高まっているため、こういうことになったようです。

制度を持つ複数の自治体からヒアリングし、事例集を冊子にしてこれから制度をつくる自治体に役立ててもらう一方、高齢者世帯の異常をごみの収集時に察知する「見守り活動」にもつなげたい考えだといいますから、ほんとうによく考えてくださっていると感謝いたします。

この「ごみ出し支援制度」は、家庭ごみの収集・運搬を担う自治体がごみ出しの困難な世帯からの要請を受け、自宅まで取りに行ったり、町内会などに収集を肩代わりしてもらったりする取り組みだそうです。支援制度を導入する自治体の増加を受け、国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センターが2015年に全自治体にアンケート(回答率約65%)したところ、2割を超える自治体が制度を持っており、制度のない自治体でも4割近くが導入を検討したいと答えたそうです。

ただ、この支援制度は東京23区や横浜市、大阪市や北九州市など、人員や予算に比較的余裕のある大規模自治体に多く、高齢化率の高い地方では少ないとされ、制度のある自治体も支援対象はまちまちだといいますから、不安です。

船橋のような大きな市なら大丈夫かも知れませんが、同じ千葉県でも鴨川市だったらできるのでろうか、と心配になります。近いうちに亀田郁夫鴨川市長に尋ねてみましょう。また、私の生まれ故郷の岐阜県多治見市がどうなっているかも、今月中に開催される予定の多治見市市政アドバイザー会議の際に古川雅典市長に聞いてみます。

国が力を入れるつもりのようですから、これから地方でも実施されるようになるものと期待しています。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

17年12月25日 1,106
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