米国大統領選挙の開票が行われる時期、米国のみならず、世界中の人びとの関心が集まっています。
メディアの報道もその話題に集中しています。
それにしても、米国大統領の選出の際には毎回、候補者たちの中傷合戦が起こるのは、私には不思議でなりません。
米国大統領候補と言えば、人間的にも成熟した人たちだと私は子ども時代から信じてきたのに、近年、米国大統領候補者たちの選挙運動中の活動、言動をみると、とてもまともな大人の行動とは思えないことが起こっています。
先日の候補者討論会でも、基本的ルール無視の言い合い、けなし合いが、延々と続きかねない状況でした。
11月5日の時点では、投票前の予想に近い結果が出そうな雰囲気ですが、トランプさんは自分が負ける結果が出たら、法廷闘争に出るといっていますから、私には信じられない方針表明です。
米国内が、選挙結果をめぐって真っ二つに割れて法廷闘争、実力行使の戦いになれば、世界中の人々と、国々に多大な迷惑がかかります。
世界経済の不安定化にもつながるでしょうし、新型コロナウイルスとの戦いにも悪影響が出ることは必至です。世界各地の政情不安な地区では、紛争、戦争にもつながりかねないと私は心配しています。
ここは、トランプ、バイデン両候補とその陣営の人々には、どうか冷静沈着な行動をお願いいたします。
これまでわが国の選挙では、米国大統領選挙活動中に見るような、ひどい非難中傷、誹謗(ひぼう)合戦を見た記憶が私にはありませんが、いろいろな文献をみれば、歴史上驚くようなことが起こってきたようですから、今後とも油断はできないと思っております。
南房総でも、選挙が近づいている地区もありますが、候補者の皆さま、良識ある方ばかりですから、米国大統領選挙のような奇っ怪な現象は起きないと信じています。
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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐
(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

