企画・エッセイ » 記事詳細

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、欧米、ロシアのみならず、わが国でも感染制御が第一だと考える人が多くなってきただろうと、私は単純に思ってきましたが、政治家や一部の評論家の皆さんの発言を聞いていると、どうもそうでもないことに気付くようになりました。

「経済活動の建て直し」が第一の優先課題と主張する人が世の中には大勢おられます。

最近まで世界中の話題の中心人物であった現米国大統領のトランプ氏は、その代表格でしょう。

大統領選挙で負けたことが明らかになった今も、彼の支持者たちは新型コロナウイルスとの戦いこそが最重要であるという主張を認めようとはしないのには驚きます。米国では、メディアの報道姿勢も真っ二つに分かれていると聞くと、米国民たちはいったいどこへ誘導されていってしまうのだろうと心配になります。

わが国では、新聞社の主張には多少の差はあっても、米国のような心配をする必要はないだろうと私は信じています。

日本では、公平な立場でメディアが正しい情報を国民に提供してくれているとの前提で、世の中の動きを見て、新型コロナウイルスの感染状況についても各自で考え、政策が臨機応変に軌道修正されているかをチェックしています。

政府が遂に需要喚起策「GoTo キャンペーン」の運用見直し策を発表しました。新規の予約の一時停止に加え、予約済みの場合は割引を適用せず、キャンセル費用を国が補償する方針を示しました。札幌、大阪の両市は、12月15日までGoTo トラベルの事業対象から除外すると発表されました。経済の建て直しにはマイナスになると判断する人が多いかもしれませんが、多くの国民は感染制御が第一の優先課題だから致し方なしと理解してくれるでしょう。

東京都を含む都市部では、病床の使用率や感染経路が不明な患者の割合が高まり、感染状況が二番目に深刻な「ステージ3」に近づいているとの見方が出ていますから、ここはこれ以上の悪化をくい止めるために、国民、住民は自発的に「不便さ」を受け入れる決意をしないといけないと思います。まさに、「ウィズコロナ」の時代に入ったと悟らないといけません。

コロナ対策を担う西村康稔経済再生相は先週、今後の感染状況に関して、「神のみぞ知る」と述べたと報じられましたが、私は首をかしげています。菅義偉総理がしっかりした姿勢を示し続けてくれるようお願いします。

* * *

加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

11月30日20時00分 443

各ページに掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁じます。著作権は房日新聞社または情報提供者に属します。

Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved