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嶺岡牧の活用についてアイデアを出し合う参加者=鴨川

「日本酪農発祥の地」として知られる嶺岡牧を地域活性化に活用しようという「嶺岡牧を知り、活用を考える会」が30日、鴨川市中央公民館で開かれた。同市と南房総市から50人余りの市民らが参加し、理解を深めた。

嶺岡牧は、日本に4か所存在した江戸幕府直轄牧の一つで、鴨川市から南房総市にまたがる外周75`の巨大な牧。日本の酪農と製乳業を築き上げた農業・食品産業近代化遺跡であるとともに、牛乳・乳製品による栄養的な食生活をもたらした食生活近代化遺産でもあり、世界遺産級の優れた遺産として近年注目されている。

考える会は、この嶺岡牧を「日本遺産に登録し、観光などに活用して地域を活性化しよう」と活動する同市の庄司朋代市議と福原三枝子市議が呼び掛け開催した。

主催者の趣旨説明に続き、江戸時代に嶺岡牧を管理していた牧士(もくし)の末裔(まつえい)である村崎深樹氏が「牧士の家に残されたもの」、同市学芸員の石川丈夫氏が「日本遺産とは」と題して講演。

その後、参加者が3グループに分かれ、「文化財を譲る方法」「地域活性化の方策」「観光活用計画」をテーマに意見を出し合うワールドカフェ「嶺岡牧の未来を創る」を実施。

大きな地図にアイデアを書き込み、意見を図化するなどの作業を通し、嶺岡牧を生かしたグランドデザインをつくった。

長年にわたり嶺岡牧を調査し、ワールドカフェのコーディネーターを務めた農学博士の日暮晃一氏は「最近、嶺岡牧は間違った情報が流布され、活用の妨げになっている。利用を進めるためには、科学的調査に基づいたデータを整理し、利用計画をまとめる必要がある」と指摘。

そのうえで「嶺岡牧は、徳川吉宗が酪農を始めて以来、戦後の学校給食を通した栄養改善まで、『人々を元気にしたい』との思いが幾重にも重なった極めて個性的な牧。このストーリーを生かして地域再生を」と訴えた。

参加者からは「嶺岡牧の重要性が分かった」「本当の牧の姿を知りたいので現地を歩いてみたい」などの声。新たな会を立ち上げ「これからも嶺岡牧について学び、活用について皆で考えよう」という提案が賛同を受け終了した。

【写真説明】嶺岡牧の活用についてアイデアを出し合う参加者=鴨川

12月6日20時00分 455
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