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仲谷名誉教授による特別レクチャー=鴨川シーワールド

小中学生49人の前で仲谷名誉教授(北大)ら

鴨川市の鴨川シーワールドは24日、珍しいサメ「メガマウス」を公開解剖した。卵殻が確認され、担当したサメの生態に詳しい北海道大学の仲谷一宏名誉教授(72)は「世界初の発見」と述べた。今後は、世界で例のない全身骨格標本にするための作業に取り組む。

世界で初めて卵殻も確認

例のない全身骨格標本づくりへ

メガマウスの発見・捕獲記録は世界で111例、国内では平成元年に静岡県浜松市の砂浜に打ち上げられたのが初めてで、今回の個体は22例目という。記録の少なさゆえに生態も不明な部分ばかりで、「幻のサメ」と呼ばれている。

解剖されたメガマウスは、昨年5月22日、館山市洲崎の沖合にある定置網で捕獲された。体長約5・5bの雌で、当初は生きた状態だったが翌朝に死亡。生態研究に役立てたいと、シーワールドが引き取り冷凍保存していた。

公開解剖に先立ち、仲谷名誉教授による特別レクチャーを開講。シーワールドの年間会員「ドルフィンドリームクラブ」の小中学生117人と、その保護者らが聴講した。

仲谷名誉教授は、これまでの調査結果を報告。「見つかったメガマウスの最大は台湾の7・1b、最小はインドネシアの1・76b」「日中は水深140〜160bにいるが、夜になると20bほどの浅い場所を泳いでいる」「口の構造から、口を大きく広げて海水と一緒にプランクトンをすくい取り、こして食べている」ことなどを説明した。

公開解剖されるメガマウス=同

また、肉を唐揚げなどにして食べた経験があることも紹介し「水っぽくておいしくなかった」と語った。最後に、動画投稿サイト上に投稿している「メガマウスの歌」を披露しレクチャーを締めくくった。

解剖は、仲谷名誉教授が中心となり、シーワールド、海遊館(大阪)と沖縄美ら海水族館のスタッフのサポートで実施。始めに体長や口、ヒレの大きさなど60か所を測定した後、開腹して肝臓や胃、腸、卵巣、子宮などの臓器を取り出し大きさや重さを記録した。

この中で子宮内に受精後の卵殻を発見。メガマウスはこれまで、卵ではなく親の胎内で成長してから生まれる卵胎生とみられていたため、生態研究に成果を上げた。

今後、3日程度をかけて骨から肉を剥がすなど、骨格標本づくりの作業に取り組む計画で、「サメの骨格は軟骨のため、浸透圧を利用したプラスチック化の作業など、ハードルは高いが、来年度内には完成させたい」とシーワールドでは話している。

解剖は特別に同クラブの小中生49人も見学。仲谷名誉教授の説明を受けながら、直接肌に触れたり、大きな口の中や切り開いた腹部の中、取り出した内臓をのぞき込んだり。「肌はザラザラしてた」「臭いは強烈だったけど、良い体験になった」などと話していた。

【写真説明】仲谷名誉教授による特別レクチャー=鴨川シーワールド

【写真説明】公開解剖されるメガマウス=同

18年2月26日 786
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