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展示された骨格標本と左から勝俣館長、吉田代表取締役、仲谷名誉教授=鴨川

世界初

鴨川市の鴨川シーワールドで、珍しいサメの仲間「メガマウスザメ」の全身骨格標本の常設展示が始まった。メガマウスザメの骨格標本は世界で初めて。きょう8日には、生態に詳しい北海道大学の仲谷一宏名誉教授の特別レクチャーがあり、標本に直接触れることも可能となる。

メガマウスは2018年11月末現在、発見・捕獲記録が世界で135例、国内でも23例と極めて少なく、記録の少なさから生態には解明されていない不明な点が多く「幻のサメ」と呼ばれている。

骨格標本にされたのは、昨年5月22日に館山市洲崎の沖合にある定置網で捕獲された体長約5・4b、体重約1・2dの雌。

当時、国内では22例目で、保護する前に息絶えたが、希少性から「調査研究に役立てたい」とシーワールドが引き取った。今年2月には仲谷名誉教授らの手で公開解剖された後、冷凍され京都市の株式会社吉田生物研究所で、骨格標本づくりが進められていた。

メガマウスは、骨が水分を含んだ軟骨でできているため、そのまま乾燥させると骨内の水分が蒸発して収縮、壊れてしまうため、これまで標本はホルマリン液に浸した液漬標本と、はく製しかつくられていなかった。

同研究所の吉田秀男代表取締役によると、今回は融点が60度で常温では固体という炭素数が高い高級アルコールを使い、骨の水分を浸透圧で置き換えて固めるプラスティネーションという技法で、全身の骨格標本を実現させた。

標本のポージングにもこだわり、仲谷名誉教授の監修で、メガマウスが餌のプランクトンをすくい取るように捕食する姿として、口を開けた状態を復元した形となった。

仲谷名誉教授は、この標本の意義について、世界で初めての▽希少種の全身骨格標本▽大型サメのプラスティネーション標本▽生態(摂餌)を再現した骨格標本――であることを強調している。

シーワールドでは、標本を園内ロッキーワールド内で常設展示していくとしており、勝俣浩館長は「標本は生きている時の行動を感じることが少ないが、この標本では特徴のある餌を食べる姿を再現している。骨格の標本でありながら生態を知ることができ、教育的な価値も高いのではないか」と話している。

きょう8日は、午後0時半から園内マリンシアターで仲谷名誉教授の特別レクチャーを開講。レクチャーを含め終日、標本に触れることが可能(以降は不可)となっており、来園を呼び掛けている。

【写真説明】展示された骨格標本と左から勝俣館長、吉田代表取締役、仲谷名誉教授=鴨川

12月7日20時00分 537
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