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房州うちわをつくる参加者=館山

伝統技術を後世に

房州うちわの歴史や里山との関わりを紹介する「房州うちわ展」(房州うちわ振興協議会主催)が29日と30日、館山市上真倉の安房高野山妙音院で開かれた。本堂に歴史を伝える写真パネルや多彩な房州うちわが展示され、「房州うちわの手づくり体験」を開催。周辺の里山を舞台に同市地域おこし協力隊で獣害対策に当たる沖浩志さんが「里山教室」を担当し、竹林の保全と房州うちわ生産の関わりに参加者が理解を深めた。

房州うちわは、京都の「京うちわ」、香川県丸亀市の「丸亀うちわ」と並ぶ日本三大うちわの一つ。江戸時代に始まり、昭和初期から中期にかけて年間700〜800万本もの生産量があったという。2003年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されるが、高齢化などにより職人が年々減り、現在技術を伝えるのは館山市と南房総市の5事業者(2事業者は休業中)のみ。

房州うちわ振興協議会事務局の館山市雇用商工課、秋山歌南子さん(30)は「まずは地元の方々が房州うちわを知って誇りに感じてもらうことが何より大事なこと。その上で新たに後継者になろうと努力する人が一歩踏み出す場として開催したのが、今回の体験でした」と話している。

29日の手づくり体験講師は、房州うちわを販売する合同会社房州堂を立ち上げた山元直宏さん(50)。うちわを制作する21工程の中で「紙を貼る」「骨を断裁する」「へりを整える」の3工程を参加者らに丁寧に指導し、他の三大うちわとの違いにも触れながら充実した学びの場を提供した。「体験で講師を担当するのは初めてで、とても良い経験になりました」と手応えを感じていた。

参加した香港出身で南房総市白浜在住の下平ホノカさん(52)は「房州うちわの竹のきめ細かさは本当に美しい。体験は今回で3回目ですが、今回もすてきな作品ができました。これからも応援していきたい」と話し、参加者それぞれが満足げな表情で自ら仕上げた房州うちわを持ち帰った。

【写真説明】房州うちわをつくる参加者=館山

4月2日20時00分 723
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