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お田植え祭りが営まれる主基斎田址公園=鴨川市北小町

新たな天皇陛下が即位され、「令和」が幕を開けた。即位関連儀式のひとつで、一代一度の重要儀式として11月に執り行われるのが、「大嘗祭(だいじょうさい)」。今から約150年前、明治天皇が即位されたときの大嘗祭に米を献上した水田が、現在の鴨川市北小町にあり、あす11日には初めて「お田植え祭り」を執り行う。関係者は「今年の大嘗祭をきっかけに、明治には北小町のコメを献上していたことを知ってほしい」と話している。

大嘗祭は、天皇が即位後初めて行う新嘗(にいなめ)祭。その年の新穀を天皇が神々に供え、自らも食べて五穀豊穣(ほうじょう)と国家国民の安寧を祈る。新穀を収穫する水田は、占いにより悠紀(ゆき)斎田と主基(すき)斎田の2か所選ばれる。

明治4年、明治天皇即位に伴う大嘗祭では、悠紀が甲斐国(現・山梨県甲府市)、主基は安房国(現・鴨川市北小町)が選ばれ、米を奉納。北小町の約60eの斎田には当時、しめ縄の垣が張り巡らされ、隣地に八神殿や稲実殿などが建てられたという。これを記念して、後にこの地域は「主基村」と改称。碑が建てられ、公園が整備された。

同地の水田では今も長狭米≠ニして脈々と米づくりが行われている。昭和56年からは、明治天皇をまつる明治神宮(東京)からの依頼で、新嘗祭に主基斎田の米を使った白酒(しろき)と稲穂を奉納することに。地元の老舗酒造「亀田酒造」が醸造を担当し、以来40年近く、毎年奉納している。

一方、悠紀の甲府市で斎田となった地は現在、宅地となっていて同神宮への奉納は行っていないという。しかし、来年鎮座100年を迎える同神宮からの依頼で、昨年から近くの水田で米づくりに挑戦。来年11月の新嘗祭で白酒と稲穂を奉納する予定で、約150年の時を経て悠紀と主基がそろうことになる。

これを機に北小町でもお田植え祭りを執り行おうと、4月に地元住民らで「主基斎田の保全活用を考える有志の会」を発足。同会の鈴木美一代表(68)は「今年は大嘗祭、来年は明治神宮鎮座100年祭と続く中、再びこの地に注目してもらい、地域活性化につながれば」と期待を込める。

お田植え祭りは、11日午前10時半から。甲府市や同神宮の関係者らも出席する予定で、豊作を祈願する神事を営む。鈴木代表は「今後甲府市と交流し、つながりや歴史を大切にしていきたい」と話している。

【写真説明】お田植え祭りが営まれる主基斎田址公園=鴨川市北小町

5月9日20時00分 816
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