ニュース » 記事詳細

管理団体に業務改善勧告

南房総市は28日、和田町上三原にある「自然の宿 くすの木」の指定管理者である上区自治会(田村健一会長)に対し、業務改善勧告を21日に行ったと発表した。記者会見で明らかにした。くすの木の会計を担当していた女性職員(64)が平成28年度以降の売上金のうち約1193万円を着服、私的に流用したことが判明したため。同会では、女性と弁済方法などを協議中。また、調査を行うため、くすの木は今月いっぱいで営業を自粛する。

5月12日に、同会の今年3月期の決算で、現金の帳簿残高に対して現金有り高の不足が見つかった。同26日に市に報告し、その後、内部調査を行い、会計担当の女性に問いただしたところ、着服を認めたという。

確認できている着服金額は、平成28年度以降で約1193万円。調査中ながら、保管現金を持ち出す場合や宿泊、食事、弁当などの売り上げについて、入金伝票をつくらず、持ち出す場合があったとしている。聞き取りに対して「28年ごろからやった」と話しており、生活費や一部は借金返済に充てたという。

女性は、平成9年12月に採用され、18年ごろから一人で経理を担当していた。着服を認めた6月6日に出勤停止、同21日に懲戒解雇されている。

同会では「現金と帳簿の重ね合わせをしておらず、管理が非常に不適切だった。女性を信用し、任せきりにしてしまっていた」と、説明している。

女性が経理を担当した18年以降も含め、調査を行うとともに、被害金額を回収するため、具体的な弁済方法を協議している。刑事告訴も視野に入れているという。

くすの木の指定管理期間は5年間で、最終年となる来年3月末で終了させる予定だった。

再発防止に向け、市では同会に対しては管理体制や事務の流れを検証し、再発防止に向けた注意喚起するとともに、必要に応じて業務報告を求め、実地調査、指示を行う。他の指定管理施設には適正な管理・運営を指導する。

石井裕市長は「(営業自粛は)残念だが状況からみれば致し方ない」とし、新たな運営者については「改めて考えなければいけないが、現在検討中」と話した。

同会の田村会長は「市長をはじめ関係者、運営スタッフ、何よりも利用者のことを考えると申し訳ない。残念でたまらない」。くすの木の北見和美施設長は「現金管理を怠った責任を感じている。全容解明でき次第、運営委員会で責任の所在を明らかにしたい」としている。

くすの木は、7年に閉校した上三原小をリニューアルし、宿泊型体験施設として9年12月にオープン。以来、一貫して地元住民である同会が運営し、現在は年間約3000人の宿泊者、約2万5000人が利用し、ふるさとににぎわいと交流を生み出している。

6月29日20時00分 2,330
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved