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散乱するガラスを片付けるカーネーション農家=南房総

花きハウス倒壊など甚大

台風15号は安房地域の農業分野にも甚大な被害を与えた。県安房農業事務所のまとめ(25日午前10時現在)によると、農作物やビニールハウスなど農業施設を含めた被害額は約33億円に上っている。

農作物の被害額は、8億8957万円。中でも南房総市、鋸南町で栽培されているカーネーションが6億6869万円で突出している。館山市のストックでも6660万円の被害が報告されている。その他にも生乳や、イチゴ、水稲などで被害が出ている。

農業施設の被害額は17億9855万円と甚大。ビニールハウスは管内全域で被害額8億2015万円。南房総市、鋸南町のガラスハウスは8億1236万円。畜舎にも被害があった。

果樹では特産のビワの木が被害を受け、露地、ハウスビワで計5億8715万円と深刻だ。被害状況は、引き続き調査しており、被害額は今後増加する見通しだという。

軒並みガラス破損 再建見通し立たず 南房総青木カーネ団地

カーネーションの産地・南房総市富浦町青木地区の「カーネーション団地」では、10軒の農家が花などの栽培に取り組んでいるが、台風によりガラスハウスのガラスが軒並み割れ、再建の見通しが立っていない。出荷量も大幅に落ち込む見込みだという。

青木温室組合では、年間300万本のカーネーションを出荷している。三井幹夫代表(55)のハウスでも、今回の台風でガラスの屋根が割れたり、フィルムがはがれたりして、1200坪の栽培面積のうち、9割以上で被害を受けたという。

わせの品種が咲き始めた矢先の大打撃。ガラスの落下で茎が折れ曲がったり、薬をまくことができずに虫に食われたりするなどの被害が出ている。ガラスがないままでは、冬に暖房を使用することもできない。「全体の1〜2割出荷できればいい方」と三井代表。

ハウス内には、今もガラスの破片が散乱したままで、家族やパートらと片付け作業に追われている。三井代表は「ここまで壊れたのは初めてで、再建のめども全く立っていない。今は片付けをするのみです」と話していた。

三井代表によると、今後の出荷が皆無になったという農家も。高齢の農家からは、再建を諦める声も聞かれるという。

【写真説明】散乱するガラスを片付けるカーネーション農家=南房総

鉄骨が曲がり、基礎も浮き上がったビニールハウス=館山

ビニールハウス 年内の再建困難 館山の西岬・神戸地区

花どころの館山市西岬・神戸地区でも、台風によって各地で花き栽培のビニールハウスの倒壊、ビニールが破れるなど大きな被害があり、ストック、トルコキキョウなどの生産に大きな影響が出ている。

同市坂井の花き生産者、山口廣夫さん(72)は、ビニールハウス約2000坪のうち約600坪が全壊。同市小沼の鉄骨ビニールハウスは、台風による強風で鉄骨が大きく曲がり、基礎部分も浮き上がってしまった。

ストックの定植時期を迎えた中での被害で、山口さんは「今年中の再建は難しいだろう。3分の1ぐらいは栽培できず、今年は出荷量も相当落ち込むのでは。いつでもストックを定植できるように準備を進めていたのに。何とも言えない気分です」と語った。

【写真説明】鉄骨が曲がり、基礎も浮き上がったビニールハウス=館山

9月28日20時00分 1,123
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