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「昇り龍図」(元禄ごろ)

鋸南町保田に生まれた浮世絵の祖、菱川師宣の「昇り龍図」と父・吉左衛門の「柿本人麻呂」が、同町小保田の福原和誠氏から町に寄贈された。菱川師宣の作品は地元では記録に残るのみでほとんど散逸している中、「昇り龍図」は鋸南に唯一現存している師宣の肉筆画で、浮世絵美人画で名をはせた師宣にとって、趣が異なり、狩野派の龍の図を墨絵で描いている。師宣がいろいろな画風を吸収していたことを示す貴重な作品。落款(らっかん)には「日本絵 菱川師宣図」とある。

「柿本人麻呂」は、師宣が芸術的な影響を多く受けた父の菱川吉左衛門の刺繍(ししゅう)作品で、歌人の柿本人麻呂像と歌が刺繍で縫い上げられている。落款に「房州保田村 菱川吉左衛門」と「慶安二年正月」(1649)の制作年もあり、保田で縫箔(ぬいはく)刺繍を業としていた吉左衛門の仕事ぶりと、その才能を知る上でも貴重な資料となっている。

どちらも小保田の旧家・福原家に長年伝えられてきたもので、町の文化振興と師宣の顕彰のため、町に寄贈された。両作品とも菱川師宣の業績を解明する上でも貴重な資料であり、町ではその厚意に深く感謝している。寄贈作品は今後、菱川師宣記念館で公開される予定。

「柿本人麻呂」(慶安2年)

【写真説明】「昇り龍図」(元禄ごろ)

【写真説明】「柿本人麻呂」(慶安2年)

11月29日20時00分 461
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