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歌集『館山』を手にする三平さん=房日新聞社

望郷の思い460首厳選

〈東京にオリンピックの来たる年化学会社の仕事に就きぬ〉

館山市生まれで、日本歌人クラブ会員の三平忠宏さん(78)=市原市在住=が歌集『館山』を出版した。市原市の化学会社に長く勤め、62歳の定年後は11年間の館山暮らしを満喫した。故郷・館山への思い入れはことのほか強く、2冊目の歌集名はずばり「館山」に。故郷の同級生らにも捧げたいという。

館山市長須賀出身。北条小―館山二中―安房高と進み、千葉大工業化学科卒。化学大手のチッソ株式会社(現・JNC)に就職する。

作歌は、趣味の風蘭栽培と同じようにライフワークとして続け、「未来」「稜」「草笛」の3つの短歌会に所属している。在職中に熊本県の子会社に4年間出向し、その労苦を第1歌集『出向』(2007年4月)にまとめた。

〈出向を終へて帰りし館山に十一年を自由に住みけり〉

出向先の熊本県から引き揚げる際、本などが市原市の自宅に収まらず、青柳(下真倉)にあった館山の親戚の家を借り、6年ほど行き来した。NPO安房文化遺産フォーラムにも入会、故郷・館山の歴史や文化を学んだ。祭りも満喫し、故郷に深くなじんでいった。

青柳から大神宮に転居。5年間、富崎・神戸地区の文化に触れた。こうした「館山暮らし」の中で、「義民七人様」「コルバン夫人」などにも深く感銘。短歌の素材に取り上げた。

今回は合計11年間になった退職後の館山暮らしで、700首に及ぶ短歌を厳選。460首を選び、歌集にまとめた。題字は妻の君代さんが揮ごうした。

館山暮らしの11年間が主体だが、幼いころを素材にした歌も収めた。自身は連作が得意で、「誰にもできない連作物語にした部分も」と三平さん。

原稿を整えていた昨年秋に、房総半島に台風15号が襲来。大神宮周辺も大きな被害が出て、心を痛めた。

同級生には元市議会議長、元教育長、寺の住職ら大勢いる。こうした人を含めて「ぜひ、歌集を読んでほしい」と話す。

〈海山とまぢかに接する暮らしにて楽しかりけり館山の日々〉

歌集は館山市の宮沢書店に置かれている。本体2000円(税別)。

【写真説明】歌集『館山』を手にする三平さん=房日新聞社

20年1月22日 925

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