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亡夫の作品を前に朱海さん=ギャラリーsfk

遺志継いだ 夫人と仲間ら

ギャラリーsfkで24日まで

北のハクチョウに魅せられ、25年間撮影に足を運んだ写真家、高橋宏誌さん(本名・高橋宏)。3年前の2月、尿管がんで63歳の生涯を閉じた。生前、「あと少しで3回目の写真展を開ける」と口にしていたが、かなわぬ夢に。遺志を継いだ夫人・朱海さんと写真クラブの仲間が作品を額装し、南房総市下滝田のギャラリーsfkで個展を開催している。北のハクチョウを愛した写真家の魂が、オーラのように作品から放たれる。24日まで。

館山市安布里で指圧治療室「拇宏」を営んでいた。仕事が終わる土曜日の午後にワゴン車で館山をたち、日曜日の早朝から撮影した。猪苗代湖(福島県)、古徳沼(茨城県)、北浦(同)などの東北、北関東方面が主な撮影場所で、通算で25年間通った。

鴨川フォトクラブに所属。仲間を誘ったり、朱海さんと一緒だったり。スタッドレスタイヤでの運転も苦にせず、夜明けとともに撮影していた。

こうしたハクチョウの写真は過去2回、「北の白き使者」として個展となった。「もう少し作品を撮りためれば、3回目の個展ができる」と語り、「伊豆沼(宮城県)での北帰行も撮りたい」と意欲的だったが、尿管がんが見つかる。治療を続けて、経過も良好だったが、突然、亡くなる。「確定申告の時期で、普通に書類を整えていたのに、あまりに急でした」と朱海さん。

遺骨は、鴨川市の鏡忍寺の墓地に収められた。朱海さんは放心の日々を過ごしたが、丸3年となるのを前に作品の確認を始めた。写真クラブの仲間も手伝い、個展として「北の白き使者V」を企画。24点を厳選し、半切のフレームに入れ、会場に並べた。

躍動するハクチョウ、羽を休めるハクチョウ、水に親しむハクチョウ。それぞれの写真がオーラを放つ。ハクチョウを愛した男の魂の昇華だろう。

朱海さんは「指圧の仕事場は今も、そのままです」とぽっかり空いた心の隙間があることを語る。今回は仕事場に飾ってあった写真も展示した。「鴨川フォトクラブの仲間の皆さまの支援で、ようやく彼の思いがかなえられます」。

午前11時から午後4時まで。火曜、水曜日は休館。

問い合わせは、ギャラリーsfk(0470―36―3052)へ。

【写真説明】亡夫の作品を前に朱海さん=ギャラリーsfk

1月31日20時00分 609

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