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展示されている新収蔵品=菱川師宣記念館

故郷唯一の肉筆画 初披露目

11月1日まで新収蔵展

鋸南町保田に生まれた浮世絵の祖、菱川師宣の「昇り龍図」と父・吉左衛門の「柿本人麻呂像」が、町民から同町に寄付されたのを受け、同町の菱川師宣記念館が8日から、新収蔵展を開いている。師宣の故郷に残った唯一の肉筆画と父の刺繍(ししゅう)画をメインに展示している。11月1日まで。

師宣は浮世絵を開花させた絵師。その技量は保田の父親の影響を受けたとされる。昇り龍図と柿本人麻呂像は、同町小保田の福原和誠氏(故人)から昨年、町に寄贈された。生まれ故郷ながら、肉筆画の所蔵がなかっただけに、この寄贈を受けて、町では収蔵展を準備していた。

故郷に残った唯一の肉筆画「昇り龍図」=同

昇り龍図は元禄(げんろく)前期(1688〜94)の作品。狩野派を思わせる水墨画で、師宣の画域の広さを物語る。福原家は菱川家と同業の紺屋を先祖に持ち、同家に代々伝えられていた。

柿本人麻呂像は、慶安2年(1649)の作。人麻呂の肖像と代表作「ほのぼのと明石の浦のあさぎりに嶋かくれ行舟をしぞ思ふ」の歌が刺繍されている。保田に残された父親の貴重な作品という。慶安の年代と「保田村」の地名が入っており、極めて貴重な資料。

収蔵展ではこの他、町田惠一氏から寄贈された師宣の肉筆画「桜花立美人図」を展示。合わせて師宣の弟子・菱川友房の同「風俗絵巻」も並べている。

石原純、原阿佐緒に関連する展示=同

大正期に文人墨客らが移住した保田にもスポットを当て、金森南耕(1880〜1935)が、三保の松原の羽衣伝説の天女を描いた「羽衣之図」、熊手で松の落ち葉をかき集める老夫婦の尉(じょう)と姥(うば)が描かれた「高砂」も展示されている。歌人の石原純、原阿佐緒に関連する展示も。

午前9時から午後5時まで。入館料は一般・大学生500円、小中高校生400円。20人以上の団体割引もある。

問い合わせは、菱川師宣記念館(0470―55―4061)へ。

【写真説明】展示されている新収蔵品=菱川師宣記念館

【写真説明】故郷に残った唯一の肉筆画「昇り龍図」=同

【写真説明】石原純、原阿佐緒に関連する展示=同

9月9日20時00分 531

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