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検体を嗅ぎ分けるがん探知犬=館山

館山

館山市犬石にある「セントシュガージャパン がん探知犬育成センター」で訓練された犬のがんを発見する研究が、スイスの学術サイト「cancers」で掲載された。日本医科大学の宮下正夫教授らのグループとの研究で、子宮頸(けい)がんを発見する試験全てを正確に判別したと紹介。公開されている研究では世界初だという。

がん探知犬とは、犬の驚異的な嗅覚を利用して、がん患者の呼気や尿などに含まれる特有のにおいを嗅ぎ分け、がんの早期発見につなげることを目的に訓練される犬。

同センターの佐藤悠二代表(73)は、犬の研究のため31年前に都内から安房地域に移住。盲導犬、介助犬、日本初の水難救助犬を育成する中で、「病気ににおいがあれば、犬が発見できるのでは」と仮定し、死亡率トップのがんを対象に訓練を始めた。

平成23年に、大腸がんを9割以上の割合で発見したとする九州大学医学部との研究が、英国の医学誌「GUT」に掲載されてから、がん探知犬の研究は各国に波及。その後、日本医科大学の同グループから依頼があり、3年かけて今回の研究に結び付いた。

犬種は、ラブラドール・レトリバー。実験は、尿や呼気が入った5つの検体を1セットとして、患者の検体1つを選び出す試験。論文では、83人の子宮頸がん患者による検体でテストを行い、がんの進行程度に関わらず、正確に嗅ぎ分けたことが記されている。

佐藤代表は、「今回の発表で、犬の嗅覚の計り知れない能力がまた証明された。コロナ禍でセンターへの検査申し込みも増えており、がんの発見が遅れることのないよう、がん探知犬の認知を広げていきたい」と展望。また「これまでの研究で、がんに共通したにおいがあることが分かったが、物質の解明までもう一歩のところ。最終的にはがんを探知するセンサーの開発につなげたい」と意欲を語った。

【写真説明】検体を嗅ぎ分けるがん探知犬=館山

11月21日20時00分 532

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