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ウェブで開催されたセミナー

建築家ら12人がオンラインで

館山市の富崎地区で現地調査やワークショップを行ってきた「被災屋根応急補修工法開発研究会」はこのほど、これまでの報告や課題などを共有するウェブ上のセミナーを開催した。建築の専門家や災害時に復旧支援に関わった人など12人が参加し、被災屋根に本格的な復旧が入るまでの一定期間、雨風を防ぐ工法について、議論を交わした。

おととしの台風災害では、同市全体で約7000件の住宅被害があったが、特に同地区では約8割の家屋が被災し、多くのボランティアも含めた復旧支援が展開された一方で、雨水が浸水し住めなくなった家屋が約3割に及び、急速に人口減少が進んだ。

この状況に対し、同地区の家屋(被災で解体)で事業を行っていたNPO法人南房総リパブリックの副理事長で、芝浦工業大学建築学部の山代悟教授が、建築家やメーカーなどと同研究会を発足。主に被災後、本格復旧が入るまでの期間の「応急補修」の必要性に注目し、現地調査やワークショップを行ってきた。

セミナーでははじめに、山代教授が概要を解説。続いて、同地区で復旧活動を行うNPO法人おせっ会の八代健正理事長が、災害時のボランティア活動や現状を報告し「被災後の長雨で、家屋にカビがまん延した」「素人がかけたブルーシートは、何度も風で飛ばされて絶望的な状況だった」ことなど、現場で起きた課題が次々と挙がった。

また、同市社会福祉協議会の粕谷聡さんが、少人数で運営した災害ボランティアセンターの課題などを振り返った。

同研究会では、ブルーシートの補修に対して、紫外線劣化が早いこと、固定方法で土のうを屋根に載せる危険性などを鑑みて、屋根の下ぶき材にも用いられる「ルーフィングシート」による補修を研究。数ある品目から素人でも扱いやすく、2〜3年の耐久性のあるタイプを抽出し、当日は仮のマニュアルも披露した。

最後のディスカッションでは、「被災直後は、ブルーシートが現実的かもしれないが、できれば1週間後には今回の工法で応急補修が進められるように、災害備蓄品としての在り方を検討していきたい」などと、具体的な運用について活発な議論を交わした。

今後、同工法は、建築家やメーカーなどの専門組織、一般社団法人HEAD研究会(東京)で研究が続けられるという。

【写真説明】ウェブで開催されたセミナー

2月25日20時00分 724

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