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タイトル:国内外で塗装ボランティア 館山の 佐々木さん
掲載日時:2018年03月08日(木曜日) 20時00分
アドレス:http://bonichi.com/News/item.php?iid=12103

佐々木恒治さん=館山市内で

「命のビザ」旧領事館の修復も

世の中を明るく塗り直すペンキ屋のボランティア集団「塗魂(とうこん)ペインターズ」の一員として活躍する男性が、館山市にいる。学校や施設など全国各地で塗装ボランティアをしており、昨年は遠くリトアニアまで飛び、外交官・杉原千畝が「命のビザ」を発給した旧日本領事館の修復塗装も手掛けた。「困っている人がいればどこにでも行く。喜んでくれた人の笑顔が何よりのやりがい」と情熱を傾ける。

同市正木で「佐々木塗装」を営む佐々木恒治さん(60)=同市北条=。2010年に活動開始した「塗魂ペインターズ」の立ち上げメンバーの一人だ。

自分たちの技術で社会貢献しようと、学校や幼稚園、福祉施設などに皆で出向き、無償で内、外壁などを塗り直す活動を続けており、今では全国146業者が参加、これまで100か所近くを修復している。

主に関東エリアで活動する佐々木さんは、これまで半数以上のボランティア作業に携わった。「涙ながらにお礼を言われることもある。役に立て、喜ばれることがうれしいね」。

海外にも活動エリアを広げており、昨年9月にはリトアニアに向かった。第2次世界大戦でナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人を救うため、日本の外交官・杉原千畝が「命のビザ」を発給した旧日本領事館「杉原記念館」を修復するためだ。

杉原記念館の修復作業をした佐々木さん(左から2人目)とメンバーら=リトアニアで

老朽化で保存が困難となっているのをメンバーの一人が聞き、ペインターズとして支援活動。クラウドファンディングで屋根修繕の資金約400万円を集めて現地に寄付し、残る外壁塗装のためメンバー約40人が、渡航費、滞在費もすべて自前で現地に向かった。

作業日数は4日間と限られ、現地独特の塗料材の指定、普段使うローラーでなく刷毛塗りを求められるなど、文化財でもあって困難な作業だったが、「失敗は許されない。日本の職人の技を見せてやろうと皆で気合を入れた」。

きっちり期限内に仕上げ、出来栄えは現地建築関係者からも「グレート」と絶賛された。「終わった時はみなで円陣を組んで泣いたね。歴史的建造物を塗ることも普段はできないことで、塗装屋冥利(みょうり)に尽きる」と振り返る。

日本のペンキ屋の魂を海外にも示した佐々木さん。「社会の役に立つこの活動は、日々の仕事の励みにもなる。これからもずっと続けていきたい」と意気込み。

「安房地域でも予算がなくて修復できずに困っている施設などがあれば、声を掛けてほしい」と話していた。

【写真説明】佐々木恒治さん=館山市内で

【写真説明】杉原記念館の修復作業をした佐々木さん(左から2人目)とメンバーら=リトアニアで

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