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タイトル:房州切子の製作ピークに 唯一の職人が手づくり 館山
掲載日時:2018年06月05日(火曜日) 20時00分
アドレス:http://bonichi.com/News/item.php?iid=12261

房州切子を製作する中村さん

伝統受け継ぐ 中村さん

新盆を迎える家庭で飾られる切子灯籠「房州切子」の製作作業が、ピークを迎えている。手づくりの伝統を受け継ぐ唯一の職人、館山市那古の中村俊一さん(42)が、一つ一つ丁寧に手作業でつくり上げている。

房州切子は、立方体のスギの木枠に、格子模様にくり抜いた紙を貼り付け、紙の仏花や造花などで彩ったつり灯籠で、お盆に自宅の仏壇や墓参りで飾られる。金と白の2色で一対で、他の切子に比べ全体的に小ぶりで飾った時の見栄えの良いのが特徴だという。

木枠にするスギの製材や紙の細工など造花以外はすべて手づくりで、作業は1年がかり。今年は320個の製作を予定し、5月から組み立て作業に入り、6月から本格化する納品に向けて作業はピークを迎えている。

中村さんは、4年前にこれまで唯一の職人だった故・行貝實さんに弟子入りし、職人技を受け継いだ。昨年初めて1人で200個の切子を製作。師匠の行貝さんは弟子の独り立ちを見届け、昨年12月に92歳で他界した。

中村さんは「紙の抜きの美しさ、紙を貼る早さは師匠にはまだ及ばないが、つくり手は自分しかおらず、責任感を持って、一つ一つ丁寧に気持ちを込めてつくっている」と仕事に打ち込む。

手づくりの伝統を受け継ぐただ一人の職人として「房州の新盆に飾られる房州切子の存在を広く知ってもらいたい。興味を持ってつくりたいという人が現れてくれればうれしいですね」と話していた。

【写真説明】房州切子を製作する中村さん

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