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南房総 新規でビワ栽培に挑戦 房総スカイファーム 先輩のサポートで3年目に

2021年06月06日 03時00分
ビワを収穫する神作さん(左)と古川さん=南房総

おととしの台風災害で甚大な被害を受けたビワ農業は、ほ場の復旧の他、新たな担い手を育成する取り組みも始まっている。南房総市丹生のビワ山では、今年創業3年を迎える株式会社「房総スカイファーム」が、収穫の真っただ中。房州枇杷研究会や行政のサポートを受けながら、担い手として定着しようと努力を重ねる。台風で産地全体の半数ほどの木が被害を受け、生産量が激減した特産「房州びわ」の栽培。国の補助で改植も進むが、商品化まで7~10年はかかり、栽培を諦めた高齢農家もいる。後継者の育成が望まれるが、技術の難易度が高いことなど課題もあり、新規の担い手はごくわずか。房州枇杷組合連合会や行政などでつくる「びわ再生協議会」が産地維持に向け対策を練っている。

同社の代表は、館山市八幡出身の神作陽介さん(38)。家業を手伝っていたが一念発起し、6年前に農業へ転身。3年間、南房総市の農業法人に従事し、平成30年に独立した。

食用ナバナをメインに、ソラマメ、トウモロコシも生産。当初から、「房州特有の農業経営を目指したい」と夢を掲げ、「特産のビワにはぜひ挑戦したかった」と語る。同社役員の古川健志さん(54)が同市富浦地区出身で、知人宅の山を貸してもらえることになった。

摘果から袋掛け、収穫から梱包(こんぽう)、施肥に至るまで、繊細な技術が求められるビワ農業。「技術面では挫折の連続」で、「知識ゼロを逆手にとって、多くの先輩農家に教えを請うた」と奔走した。

特に、房州枇杷研究会の若手生産者や県担当者が生産技術の習得を丁寧にサポート。おととしの台風で3割の木が倒れ、土砂崩れの被害にも遭ったが、このときも会員や周囲の農家に支えられて乗り越えられたという。

今年、新たに20㌃増えて、50㌃を営農。朝から夕刻まで収穫し、ふもとの直売所で販売。役員2人と従業員一人の計3人で、チームワーク良く仕事に励む。

3年目を迎えて神作さんは、「まだまだ新米だが、ここまでこられたのも先輩方のおかげ。長い歴史に恥をかけぬよう、一人前の生産者になるために頑張りたい」と白い歯を見せていた。

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