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長狭高美術部と保存会が人形浄瑠璃の背景画描く

2021年08月06日 03時00分
長狭高校美術部(広田衣李部長、部員7人)と、安房の人形浄瑠璃保存会(田村勇会長)が協力し制作に取り組んでいた人形浄瑠璃「生写朝顔話」の背景3枚と大道具の船が、このほど完成した。両者は「早く本番で使いたい」と上演の日を待ち望んでいる。

「生写朝顔話」は若い娘の深雪と、若者の宮城阿曽次郎が悲恋に落ち、すれ違いを繰り返すという世話物。背景は、見せ場の船別れの段、宿屋の段、大井川の段で使うもので、全て幅14・5メートル、高さ2・7メートルの大物。大道具の船は、幅4・5メートル、高さ2・2メートルだ。

7月26日から30日までの5日間をかけて制作。東京都の国立劇場で歌舞伎背景画家として活躍した井上隆さん(85)=船橋市=が、絵の大まかな構図を布に下書きした他、筆や色の使い方、描き方を指南。生徒らが粉状の練り絵の具に木工用ボンドを混ぜ、色を塗っていった。

保存会の会員らは全員70代で12人。後継者不足の上に、新型コロナウイルスの追い打ちで地域の学校との交流も減る中、なんとか子どもたちに伝統芸能に触れてもらう機会をつくろうと、同校美術部の近藤博教諭に共同制作を依頼した。

広田部長は制作を終え「水の波紋の描き方など表現の勉強になった。劇の中の重要な役割を担う背景を任せてもらえて光栄。使ってもらえるときを思うとわくわくする」とお披露目の日を待ちわびている。

田村会長は「後継者不足の中、地域の高校生が手伝ってくれるのはうれしいこと。この背景はわれわれの貴重な財産になる」と完成を喜んだ。

今後の感染状況によるが、同会は秋ごろに、南房総市白浜地区の杖珠院で上演を予定している。

【写真説明】生徒と保存会が共同制作した背景画=鴨川

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