ニュース

主基斎田址公園近くの水田で抜穂祭 鴨川

2021年08月17日 03時00分
明治天皇の即位に伴う儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」で米を奉納した鴨川市北小町の主基(すき)斎田址公園近くの水田で15日、稲の収穫を感謝する神事「抜穂(ぬきほ)祭」が執り行われた。主基斎田の地主の子孫などでつくる「鴨川市明治神宮崇敬講」の役員や長谷川孝夫市長など15人が参列し、今年の実りを祝った。

大嘗祭とは、天皇が即位後初めて行う新嘗(にいなめ)祭。その年の新穀を天皇が神々に供え、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る。

北小町は約150年前、明治天皇即位時の大嘗祭で米を献上する「主基斎田」に選ばれた。現在も同地区では米づくりが盛んで、「長狭米」と呼ばれ、多くの人に食されている。

また、明治天皇をまつる明治神宮(東京)の鎮座60年となった昭和55年には、同斎田で収穫された稲穂と、これらを基に地元の老舗酒造「亀田酒造」が醸造した白酒(しろき)を新嘗祭に奉納。以来毎年、同地区の大切な伝統として続けられている。

抜穂祭は、公園中央の記念碑の前に祭壇を構え、降りしきる雨の中で営まれた。今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、規模を縮小し、15人が出席。同市の天津神明宮の柏原基男権禰宜が祝詞を奏上した後、地主の子孫である松本恭一さんが稲穂を刈り取り、祭壇にささげた。

刈り取られた稲穂は干され、10月ごろに行う「穂揃式」での手入れを経て、新嘗祭など明治神宮に関係する行事の際に奉納されるという。

崇敬講の講元である真田博夫さん(79)は「今年は天気が悪いが、きょうのおはらいで例年どおりの豊作になりますようにと祈った。皆さんにおいしい長狭米を届けたい」と思いを語った。

出席した長谷川孝夫市長は「明治天皇の大嘗祭とゆかりのある、地域の誇りとする場所。文化、地域振興の場として栄えてほしい。編集を進めている市の新しい教科書にもしっかりと記載したい」と話した。

【写真説明】稲穂を刈り取る崇敬講の役員=鴨川

【写真説明】刈り取った稲穂をささげる真田講元=同

Ads