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「イノシシ捕獲通知システム」の実証実験スタート 南房総

2021年09月09日 03時00分
獣害対策における捕獲従事者の労力を軽減する「イノシシ捕獲通知システム」の実証実験が6日、南房総市大井地区で始まった。箱わなやくくりわなに設置された機器から管理者にメールで情報を通知する仕組みで、KDDIエンジニアリング(本社・東京都渋谷区、佐藤進社長)が提供。運用コストも含めて3~6か月間検証して実用化を目指す。

同市では、狩猟免許を有する捕獲従事者約360人が、「市有害鳥獣対策協議会」を組織し、旧7町村に分かれて獣害対策に当たる。設置された箱わなの数は、約1000基に上り、昨年度は過去最多の6196頭のイノシシが捕獲された。

山間部に多数設置した箱わなを日々見回ることが捕獲者の大きな負担となる中、同市千倉地区で「KDDI千倉海底線中継所」を運営するなど市と関係のある同社から対策について協力の申し出があり、実証実験が実現した。

システムの概要は、箱わなやくくりわなに仕掛けた機器が、マグネットと赤外線感知センサーのダブルチェックで捕獲情報を把握し、定期的に捕獲者のスマートフォンへメールで送信。わなが作動するも捕獲できなかった「空はじき」も判別し、捕獲者の見回り頻度を大幅に改善する他、設置場所の妥当性の検証にも役立つという。

同様の仕組みは実用化の事例もあるが、今回は低コストの遠距離通信技術「LPWA通信」を利用し、運用コストの大幅削減を検証するところに特徴がある。

今回設置された機器は、箱わな4基とくくりわな1基。この日は、同社技術者ら8人が、わなを管理する地元捕獲従事者や区長ら3人に仕組みを解説し、その後、実際に箱わなを見学するなど現地で質疑応答などが行われた。

同地区で20か所の箱わなを管理するなど対策に当たる遠藤茂さん(75)は、「見回りの負担は大きいので、こうした機器は前から必要だと思っていた。コスト面の課題をクリアして、ぜひ実現してほしい」と期待を込めていた。

【写真説明】機器を設置した箱わなを見学する技術者や捕獲従事者ら=南房総

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