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房州石の倉庫を故・溝口画伯のギャラリーに 館山

2021年09月25日 03時00分

館山市船形にある築100年の房州石の倉庫が、故・溝口七生画伯の作品を展示するギャラリー&カフェ「船形倉庫」として改修されることになった。主体となるのは溝口さんの娘3人。10月に工事着手で、来年4月にオープンするという。

溝口さんは、光陽会賞や文部大臣奨励賞、県展知事賞など数々の受賞作品をはじめ、安房の風景や自然を描き続けた鋸南町の洋画家。教員のかたわら独学で絵を探求し、画風や人柄で多くの人に親しまれた。おととし10月に83歳で逝去。

ギャラリー創設の計画が立ち上がったのは昨年、長女の溝口(佐生)かおりさんが、鋸山の房州石でできた倉庫物件を知ってからのこと。鋸山を愛した溝口さんの思いや「自宅にギャラリーをつくりたい」と語っていたことを思い出し、家族会議を経て、購入を決めたという。

58平方メートルの倉庫は、関東大震災後の大正12年築。屋根は過去に修繕されているが、石壁や梁(はり)などは当時のままで、周りを建物で囲まれていたことから保存状態は良好。中を2区画に分けて、ギャラリーとカフェに改修する。庫内も石がむき出しで、レトロな風情が漂う。

亡くなる直前まで制作を続けたという溝口さんのアトリエには300余点が遺(のこ)され、妻・和さんや姉妹で整理し、リスト化。完成予定のギャラリーでは一度に15点ほど展示し、季節やテーマで作品を入れ替えるという。

かおりさんは、「今後も定期的に遺作展などを行いたいという思いはあったので、素晴らしい建物に出合えて良かった。イベントなども開催していきたい」と展望を語っていた。

【写真説明】ギャラリーに改修する房州石の倉庫の前でかおりさん=館山

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