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農業用ハウスでバナメイエビを養殖 鋸南

2021年11月11日 03時00分
農業用ハウスで飼育されたバナメイエビ=鋸南

鋸南町下佐久間の農業用ハウスを活用して、同町の株式会社SeasideConsulting(平野祐晟・平野彩代表取締役)によるバナメイエビの養殖が始まった。約20万尾の稚エビの無添加での飼育に成功し、今月下旬に販売開始。今後、エビを活用したハワイ料理「ガーリックシュリンプ」の開発も目指すという。

鉄骨ハウスの広さは500平方メートル。施設内の縦32メートル、横5メートルの区画を養殖槽として周囲を護岸工事用の箱型鉄製枠で囲い、枠の内部をパワーショベルで掘った土で固定した。上から遮水用シートを覆い、保田漁港から90往復して200トンの海水を運んだという。

2か所のポンプで海水を吸い上げ、常時高性能の改水質装置で浄化して循環。ハウスの保温力で飼育に最適な水温約25度を保持し、陸上養殖設備と養殖魚飼料で3つの特許を取得している。

今年8月にタイから20万尾の稚エビを輸入し、10月に稚エビ槽から本水槽へ移設。死亡も少なく、良好な健康状態で育っていることが確認された。農地転用許可(一時転用)を受けたエビの養殖は、同社によると全国でも事例は見当たらないという。

輸入バナメイエビと差別化し、「Bianca」と名付けた。ちばぎん商店のクラウドファンディング「C-Value」での掲載(24日)を機に、活魚で販売を開始する。

同社は、都内で環境改善技術の開発や販売を行う会社を起こした代表の平野夫妻が平成29年に創業。中国科学院海洋研究所(青島)で、バナメイエビの養殖実験と、同研究所と共同で改水質装置の検証を行い、国内でも小規模実験を成功させた。

その後、一定の条件を満たす約20の自治体に相談したところ、職員の丁寧な対応に導かれ同町を本拠地に決めたという。農業ハウスで海産物を養殖するという前例のない発想に「当初、周囲の理解を得るのは難しかった」が、「エビの国内自給率の向上、食の安全、休耕地の改善や雇用創出により、ビジネスで社会課題を改善したい」と強い信念を持って事業と向き合う。

一部の業務を障害者の就労に生かそうとグループホームや就労継続支援B型事業を行う株式会社「Co-GII」を今年1月に設立。水福連携事業としてガーリックシュリンプの開発に着手し、現在入所者を募っている。問い合わせは、平野さん(090-6839-8027)へ。

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